代表取締役社長 S 様
北海道から単身上京し26歳で独立して事業を起こしました。当初は寝る間も惜しんで無我夢中で働きました。それから2年後、小さいながらも法人化して会社の社長になりましたが、経営者とはどうあるべきかが分かりません。これまで見てきた会社の社長は、ベンツに乗ること、お金をたくさん持つことが偉いんだ、という人ばかりでしたが、何か違うのではないかとずっと思っていました。
そんな頃、資金が必要で国民金融公庫に1,000万円の追加融資を受けるため、窓口へ出向きました。融資の担当者は決算書を見ると「よくがんばったね。よし、追加融資をするよ」とその場で即答。嬉しかった半面、そんな大金を簡単に貸していいのかと思いました。社長とは、経営者とはどうあるべきか分からない当時の私は、担当者に素直に聞いてみました。「私は生まれてこれまで社長というものをやったことがありません。何をどうやればいいか分からないのです。そんな人間に簡単にお金を貸していいんですか」それを聞いた融資担当者は大笑いして答えました。「それなら良い人を紹介してあげるよ。その人ならきっとヒントをくれるよ」それが、大山先生と出会ったきっかけです。
大山先生にお会いして、社長とは、経営者とはどうあるべきかずっと分からないでいることを話しました。大山先生の返答は「S 君、良い人と付き合わなければいけないよ。朱に交われば赤くなるからね」でした。小学生の中にいると自分が偉く思えてしまう。字も書けるし、計算だってできる。そうすると反省をしなくなる。いい人や立派な人とつきあわないと、反省できなくなるということなのだろう。
何かおかしいと思っていたことへの答えがその中にあると確信しました。あまりに感動して、大山先生とお会いしたその日の夜に、故郷の母に電話で報告しました。母は、「これでうちの息子は大丈夫、ほんとうにありがたい」と、仏壇に手を合わせて喜んだといいます。
最初に盛和塾の集まりで、福田さん、谷さんを紹介されて、それがご縁でブラジルにご一緒しました。そこで京セラの稲盛和夫社長(当時)に紹介していただきました。「積善余慶」積善の家に必ず余慶あり。ブラジル滞在中、訪問したお宅で拝見した、掛け軸に書かれた言葉を稲盛さんに教えていただきました。
次はファンケル創業者の池森賢二さん。「税金は無駄なことにも使われるが、人の役にたつこともできる。だから、たくさん税金を納めようと心している。」創業以来、30数年重度障害者施設を支援し続けておられます。
その後も大山先生には、多くの正しい考え方を持つ方をご紹介いただき、「人間とはどうあるべきか」を学ばせていただいています。大山先生に出会って20数年が経ちました。
「朱に交われば赤くなる」この言葉と出会ったあの日がなければ、今の自分はないと心から思っています。